時々考えることがある。


例えば、僕と彼が入れ替わったらどうなっていただろうかとか。

例えば、拒絶していなかったら僕らはずっと一緒だっただろうかとか。

夢想するよりずっとおぼろげに、明け方に見る夢のように時々、ほんのふとした瞬間に。

いまさら、どうにもならないことを。

後悔していないとか、後悔しても自分の決めたことだから貫き通すとか、そんなどこかの物語の主人公みたいな潔いセリフは無理だから、いつまでたってもウジウジこれで良かったのかと悩んでいる。

情けないことに、最高と最悪の偶然と、ひと掴みの必然で迎える結果は、当事者の意見なんか聞いちゃくれないので、いつの間にか目の前にやってきていた。

唯一の救いは、どこにも引き返す道や逃げ出す道がないことかもしれない。

それが本当に良い事なのかは分からないけれど。



だって本当の本当は、いなくなりたくなんて、なかった。



ずっと一緒がよかった。

ずっと一緒にいたかった。

何回も飽きるくらいケンカをしてぶつかり合って、その度に仲直りしたりこじれたり。

たくさん怒って、たくさん泣いて、たくさん笑い合いたかった。

いろんなものを別々に見て、もっといろんなものを一緒に見たかった。

未練て言えるほど立派なものじゃない、ただの我儘でも。




きみと、いっしょにいきたかった。








2010.09.11. 夢見た朝を覚えていない