目を開けて、初めに飛び込んで来たのは一面の、あ お。

「ルルーシュっ、大丈夫?!」

痛い。
耳鳴りがする。
頭が、割れる、痛い、痛イ、イタイ。

(違う)

痛いんだ。

(そんな筈は無い)

「ルルーシュ?!」

何で、おまえが居るんだ。

(あり得、ない)

何故 お前が あそこに 居たん だ。

(こいつには、あんな事できない。不可能だ。 だって――)

何で、お前が、あの白いナイトメアに、乗っている、んだ。

(――イレブンは、騎士には、なれない)

スザク

(ブリタニア人がそんな事を許すはずが無いっ)

『技術部に配置換えしてもらったから』
(そう。技術部の人間が前線に投入されるなんて、事、)
――白いナイトメアは〈何処〉で造られた?



『技術部に』



どうして?

「ルル、大丈夫っ?何処か痛い? 頭は打ってないけど、痛いの?」

『配置換えしてもらったから、そんなに危なくないよ。』
『そうか、技術部か…』
(安心した、これで少しは、危険が無くなる。)
どうし、て、科学者でもない一般兵を技術部に、送る?

――ひつようだったからだ。
(お前が危険に晒されないで、済む。)
技術部が造った新型に、専用の『パイロット』が。
(俺が、おまえを、ころさずに、すむ)


ころさずに


(痛、い)

違う。
そんなはずは無い。
違う。考えろ。冷静になれ。
(痛い)
考えろ、全体を見渡せ。一つ一つの情報を整理しなければ、
(痛い、痛イ。頭が割れる。耳鳴りじゃ、ない。)
答えを、みちびきだす事は。

(これは、俺の鼓動、の。)

「…スザク」
「ルルーシュ?」



「お前が、あの白いナイトメアのパイロットだったんだな。」



見開かれたみどりに写った自分の眼と銃口は、ひどく冷たかった。

そのむこうに、ひろがっていたのは、いちめんの あ お。








2006.11.15 空に 堕つ。 end